習得度ではなく個性に合わせた指導について
- 秀平 武澤
- 2021年4月20日
- 読了時間: 3分
みなさまこんにちは。新学期がはじまり、なんだか自分たちも忙しく過ごす今月です。
今日は、生徒さんお一人おひとりに合わせた指導について具体的にどうしているのか書きたいと思います。
まずはじめに、ひとりひとりに合わせた指導とはなにかということですが、それはいわゆる楽器の習得度についてではありません。云うならば、生徒さんの個性に合わせた指導、ということになります。
個性といっても、昔からよく知る幼馴染ではないので、フルートの初回のレッスンでは、皆さん同様にアンブシュア(フルートを吹くときの口の作り方)について指導します。
この指導の反応によって、生徒さんの大体の吸収度が分かってしまうのです。
アンブシュアでなくても、姿勢や、ブレスの取り方についても、指導するまえから、その生徒さんがどのような反応をするかが分かってしまうのです。
それは決して楽器にむいてるかどうかではなく、こちら側の指導を生徒さんがどのように受け止めるかの違い、と書けば良いでしょうか。
この違いによって、生徒さんにお伺いする前から、生徒さんがどのようなご職業につかれているかどうか、どのようなご趣味をもたれているかどうかまで、何となくわかってしまうのです。
これだけわかるからこそ、私たちがしなければならないことは、生徒さんひとりひとりに対して、どのように指導したらしっかりと受け止めていただけるか考えることです。
ときには口酸っぱく、ときには時間をかけて、またときには様々な例えを引用して、工夫して指導しています。
職業と書きましたが、例えば研究者の方の場合、とにかく追求されるので1教えたところで次回のレッスンでは10の習得を発揮されます。
バレリーナの方、やはり一芸を極められているからか、集中力が非常に高く、一言・一音に対しての反応の鋭さが違います。
主婦の方、アンブシュア、姿勢、指使い、音の審美眼、音楽について、とてもオールマイティーに築きあげることができます。
これらは結局のところ脳の記憶する力と関係しているのでしょうか。
先日面白いなあと思ったのは、我が家の家族は、音楽を旋律で記憶していたらしいのですが、私は専ら和声で覚えていました。
私の場合は、2つ3つ同時に聴こえるとこれはあの曲だなあと思うわけですが、家族の場合、音が2つ3つ繋がって聴こえると、何の曲か分かるそうです。
専門する楽器の特徴から考えると私の方が旋律しか吹けない楽器なので旋律で記憶できるべきですがそれはできず、家族は旋律も和声も弾けるので和声で記憶できそうですが、そうではない。なんだか面白いと思うのは私だけでしょうか。
脱線しましたが、何に関しても、人様々なわけです。
柔軟な指導を今後も心がけたいと思います!

音楽の記憶、面白いですね。
先生方とはレベルが違いすぎて恐縮ですが、私の場合のお話です。
私はギターを弾くのですが、ギターに興味を持ち始めた1960 - 70年代の東京下町にはギター教室などは見当たりませんでした。探せばあったのでしょうが、リアル両津勘吉のような生活をしていた僕たちには別世界のものでした。
そんな子供がギターを弾けるようになりたいと思っても適切な方法など分かるはずもなく、レコードをくり返し聞いてポップスの曲中のギターをコピーすることと、テレビの前でギターを構えて音楽番組で演奏される曲のコードをとることが練習の全てでした。ギターのコード表だけは、当時の音楽雑誌に沢山載っていたからです。雑誌と自分の音感だけが頼りでした。
現在でも、音楽を聴くと無意識のうちに和音をとっています。コードの展開や不協和音の意図的な使い方が最も印象に残り、一度忘れた曲でも特徴的な指板の押さえ方などから曲の他の部分を思い出すこともよくあります。
昔の曲はシンプルでしたが、最近のJポップの曲は複雑で、結構難しいですね。
私の場合、初期の音楽への接し方が50年後もそのまま続いているらしく、最も強く記憶に残るのは和音の展開と時折現れる崩しのようだ、というお話でした。
フルートのような旋律楽器を演奏する人は、常に頭の中で和音を鳴らしているのかな、などとも思いました。同じ旋律でもコードを変えるとまったく違った音楽になりますものね。